3月26日に開催されたDevLOVEのイベント、「みえないものをみえるようにしよう 〜組織の中の見える化、人と人との関係性の見える化〜」についてのレポート記事です 。

このイベントはオープニングトークとQ&A、ディスカッションの二部構成で開催されました。

イベントの様子

自分は何をしたいのか、相手は何をしたいのか。壁にぶつかったことがある人も少なくないと思います。

見えない壁を乗り越え、明日に一歩踏み出す為にはどうすればいいのか、考えるきっかけになるのではないでしょうか。

オープニングトーク

人には行動原則があり、どんな課題があっても、誰もが変化/成長できる

安西 剛さん

 

まずは、安西さんのオープニングセッションによってはじまりました。安西さんはこれまでずっと組織とチームにフォーカスを当てて、コーチングを行ってきたそうですが、昨年から「個人」にフォーカスを当てているそうです。

安西さんによると、

  個人 → 考えや内面までは見えにくく、把握しにくい

  組織・チーム → 関係性やシステムとして見えやすい

このことから、組織・チームにフォーカスを当てた本や手法は多い。しかし、組織やチームは個人の集合体。そこで、個人を見える化したいとのことです。

個人を見える化する。といってもまず、何をすればいいのかわかりませんよね。ここで見えるとよさそうなポイントが3つあるとのことです。

1. 個人の望み

2. 個人の課題

3. 個人の未来

これらはどのようなものなのか、詳細に見ていきたいと思います。

1. 個人の望み

言っていること ≠ 思っていること

理論や理屈、ロジックとして言っていることと、感情やエモーションとして思っていることが一致しないということは皆さんも、経験があるのではないでしょうか。

愚痴や文句として言葉に出したものは氷山の一角で、望みやニーズは出てきません。だから、言っていることを真に受けるのではなく、本当に望んでいることは何か見ることが大事だそうです。

ここで重要なのは、望みを叶えるのではなく、望みを見ること。見ないことには根本的な解決はできないとの事です。

2. 個人の課題

誰にでも阻害要素がある

会社・チーム、個人共に目標に向かって変化していく必要があります。しかし、その変化の過程には誰にでも阻害要素があります。

新しいことに踏み出せない。失敗するのが怖い etc…

阻害している課題は何かを見ることが必要だとおっしゃっていました。

ここで重要なのは「自分の課題を自分で言えるか」ということだそうです。
図星をつかれるのは耳が痛いものです。しかし、タイミングによっては心に強く響き、成長できます。課題を自分で受け入れられないと言葉にはできないから、だそうです。

3. 個人の未来

今は見えなくても個人の未来を描き続ける

個人の望みと組織の望みのマトリックス

自分の望みを犠牲にして、組織・チームの望みに合わせ続けるのは難しく、学ぶことを辞めてしまいます。

だから、組織の目指す未来に、個人の未来が合わせていく。さらには組織の戦略を調整して、個人の未来と組織の未来を合わせていくことが重要になってきます。

しかし、どこに行くべきか分からない人も多くいます。大事なことは個人が最適レベルのパフォーマンスの為に、他者や環境がサポートしながら、個人の未来を描き続けることだそうです。

 

この3つのポイントについて、まずは自分に当てはめて

自分の望み、自分の課題、自分の未来

を見える化することが大事とのことでした。

 

みえないものをみえるようにしよう 2019-03-26 #devlove (安西さんのスライド)
https://speakerdeck.com/tsuyok/mienaimofalsewomieruyounisiyou-2019-03-26-number-devlove

Q&A、ディスカッション

ディスカッションでは安西さん、カイゼン・ジャーニーの著者である市谷さん、新井さんの3人が会場の皆さんからの質問に答えていくスタイルで進行しました。ここでは質問の一部をご紹介します。

Q1 悩みを人に見せたくない人にはどうするの?

安西さん:なぜ見せたくないのか…その下のニーズが何かを見て、つながる必要があります。例えば、優秀だけど自分を守ってハードルを下げようとする人には、努力と時間が必要で大変だけど、心理的安全を構築すると変わるかもしれません。

新井さん:向き合い続ける。その人のペースに合わせ続けるのが良いと思います。人によって、対応を変えて、存在を尊重するのが重要になると思います。

市谷さん:難しく感じるのには、こちらも相手を認められていないからじゃないですかね。

安西さん:その場合は自分を見直すべきだと思います。相手の課題は自分の課題でもあります。

Q2 自己肯定感が低い人を盛り上げるにはどうするの?

安西さん:Q1と同じで、その行動の向こう側を見るべきだと思います。

市谷さん:無理に盛り上げる必要があるんですかね?

安西さん:人によります。必ずしも盛り上げる必要は無いです。

市谷さん:自分に当てはめたら当てはまりますね。自分は寂しいから先に「ぼっちです!」って言ってしまうし

安西さん:自分で言える人は良いんです。言えないと抱え込んでしまうので。

新井さん:DevLOVEでも運営頂いている、こまどさんのブログにある「第二階の欲求」みたいな話ですよね。「ラーメン二郎がたべたい!」が「第一階の欲求」、「ラーメン二郎がたべたいという欲求を持ちたくない」のが「第二階の欲求」。でもそう思えるのが人間なので、それでもいいんです。認知してしまえば肩の荷が下りると思います。

Q3 おすすめの書籍は何ですか?

安西さん:スライドにも登場した「能力の成長」と「なぜ弱さを見せあえる組織が強いのか ― すべての人が自己変革に取り組む「発達指向型組織」をつくる」と「本当の勇気は「弱さ」を認めること」です。

新井さん:「人を助けるとはどういうことか本当の「協力関係」をつくる7つの原則」です

Q4 安西さんの話を聞いていて何か思ったことはありますか?

新井さん:コーチングにおいて、「お医者さん」とか「診断士さん」みたいになってしまうのは良くないことですが、安西さんは「お医者さん」モードにならない様にしていることは何ですか?

安西さん:答えを求める人が多いのですが、本人が自力で出せるようにしています。自分で気が付くように、ヒントを出してあげています。

市谷さん:書籍「最高のコーチは教えない」というのがありますね。「お医者さん」ですみたいな感じで、偉い場所から言うと身構えてしまうので。

新井さん:あともう一つ、安西さんの「組織の未来と個人の未来を合わせていく」について、市谷さんがnoteに投稿していた「セカンドに合わせる」が浮かびました。共通点はありますか?

市谷さん:完全には一致しないですね。野球でいうファーストで合わせていくというのが今までの考え方で、それでは無理なので、これからは個人のファーストをセカンドにして合わせる感じです。例えば仕事で言うと、副業・複業とかで。

安西さん:実現したい事について、本人も言語化できていない部分があると思いますが、達成していこうとできますし、何を実現するかはゴマンとあって未来をクリエイトできます。どこの組織でも皆苦しんでいる中で、どう工夫していくのかは時代の大きな問いでもありますね。

市谷さん:「やりたい意思」というのは歳を追うごとにつれ、貴重になっていきますね。それこそ、「人の意思は有限で、貴重な資源」です。

おわりに

安西さんのオープニングトーク、新井さん、市谷さん、安西さんのディスカッション内容を見て、自分の中の「みえないもの」を見たり、誰かの中の「みえないもの」を見るきっかけになりましたか?

モヤモヤしていた「みえないもの」も一歩踏み出す為の「なにか」になるかもしれません。

私自身もはっきり言えませんし、言えている部分にも、気が付いていないことがたくさんあると思います。

組織やチームでのふりかえり・むきなおりだけでなく、個人のふりかえり・むきなおりをしたいと思います。そして自分の未来や望みに向き合っていけたら、それは素敵な事だと思います。

当日のスライドはこちら